近視のこれからの目標
ですから、端的にいえば、業績評価の悪い社員。
ワースト10を選んで解雇の対象とすればいいわけです。
何も、私たちが出ていく必要はありません。
ところが、その10人がなかなか決まらないというのです。
そこで、私たちはL社の社長(Lさんとします。
当時は着任して1年未満の方でした)から直接、話をうかがうことにしました。
ヒアリングの結果、わかったのは次のようなことです。
・人事部長から、必要と思える情報が社長のところにあがってこない。
・成果主義(業績評価システム)の内実がよく見えない。
問いただしても、「問題ない」という曖昧な答えが返ってくるだけ。
・ここ数年、現地スタッフの給与総額が増加傾向にある。
これについても、人事部長からは「成果主義に基づく」との回答だけ。
・今回の解雇について、人事部長から「選定は困難。
強行すると訴訟になるリスクがある」といわれている。
・解雇の候補として、仕事の遂行に問題があるとされる社員の名を挙げても、「彼(彼女)の評価はさほど悪くはない」と反論される。
というようなことでした。
要するに、人事施策についてカーテンが引かれ、成果主義もうまく機能していない、ということにほかなりません。
成果主義の下で業績評価(人事評価)がきちんと行われていれば、「(解雇者の)選定は困難。
強行すると訴訟になる」なんてことは、あり得ないはずですから。
つけ加えると、会社の業績がいいときは、人事制度や業績評価システムがあまり問われることはありません。
業績が悪化したとき、ことにアメリカでは解雇を伴うケースが多いだけに、人事システムの精査や見直しが行われるのです。
L社の場合も、遅々として進展しない解雇の人選もさることながら、人事システムの見直しを含めて、サポートが依頼されたのでした。
自身の保身策として現地スタッフを過剰評価する見直すべき人事システムの中には、アメリカ人の人事部長の能力や資質も含まれています。
人事部門にいる日本人駐在員(マネージャークラス)によると、さまざまな疑問を人事部長に質しても、やたらに難解な専門用語を(もちろん英語で)まくしたてられて、結局やりこめられてしまうとのことでした。
ところが、アメリカ人の現地スタッフには、すこぶるウケがいいとのこと。
そのため、前任の社長も現在のLさんも、また駐在員の人事マネージャーも、あまりきついことが言えなかったようです。
そこで、私たちは人事部長に直接疑念を呈することにしました。
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